シンデレラはもう帰れない。

 藤原(ふじわら)くんは両目を見開く。

「ほんとは先月…、チョコ渡すつもりだったの」

「だけど…マドンナが…」
「あやりが渡してるとこ見ちゃって…諦めたの」

 あやりはシンデレラ。
 だけどわたしは苗字だけの灰を被った地味子。


「わたし…、可愛くないし美人でもないから」


 藤原(ふじわら)くんは、わたしの頭を左手でぽんぽんする。


灰野(はいの)さんは、すっげぇ可愛いし、美人だよ」
「自信持って」


「…って、ごめ、手…」


「大丈夫、もっと触れて欲しいくらい」

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