シンデレラはもう帰れない。

 わたしの顔が熱くなる。

「……あ、今のなしで」

「いや、可愛いからありで」

 わたしはイチゴのホワイトチョコレートが入った袋に手を伸ばす。

 指と指が触れた瞬間、足音が近づいてくる。

 グイッ。
 藤原(ふじわら)くんに手を引かれ、カーテンの中に隠れる。

藤原(ふじわら)くん、ローファーが…」

灰野(はいの)さん、シッ」

「声が聞こえた気がしたけど気のせいか」

 担任の男の先生が教室の前を通るのが分かり、足音が遠のいていく。

「はー、セーフだったな」

「うん……」
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