鬼上司は秘密の許嫁?!溺愛されるなんて聞いてません
歩み寄ろうとした矢先に、頑張って作り上げたお店のセンスを貶されてしまった。

ひっどっ!いきなり何を言うかと思えば酷いんじゃ、酷すぎません?

なんて言う勇気も無く、固まるしかない。

いや、本当に部長、初対面の部下に対して厳しい。
これが噂の鬼部長?
噂も間違いじゃなかったんだ。納得。

「何を百面相してる」

「?!」

指摘されて視線を向けると、そこには若干渋い顔をした部長の顔が。

「大方、俺の噂でも聞いていて、うるさい上司だとでも思ってるんだろう」

「う」

思わず声の漏れた私に冷たい視線が向けられる。

別にうるさいとか思ってないけど『鬼』と『厳しい』については、そう思ってるのは事実なので否定しづらい。
否定しないことで自動的に肯定してしまった。墓穴。

「やはりな。まぁ、お前が俺の事をどう思おうと関係―…」

「部長?」

そこまで言って固まった部長に声を掛けると、コホンと咳払い。

「とにかくだ」

えっと?話の続きは?

「俺がここに来た理由を考えろ」

えっ、部長がここへ来た理由?
それは私達の店の売り上げがイマイチで、このままだと不採算店舗となりかねないってこと―だよね。

「うちの店舗の売り上げが…」

「そうだ」

部長が頷いたタイミングで、私と部長の料理がほぼ同じに運ばれて来た。
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