ひと駅分の彼氏
真琴の部屋が温まってきたとき、真琴が小さめのケーキを持ってきてくれた。


今日の午前中に人気店で並んで買ってきてくれたものだった。


「すごい! このお店のケーキっていつもすぐに売り切れるって言うよね?」


日頃からそこまで人気なのだから、クリスマス時期にホールケーキを購入するなんてよほど覚悟がいることだった。


一体何時間並んだのだろう。


「紗耶、一度はここのケーキを食べてみたいって言ってただろ? だから頑張って並んだんだ。ほとんどが女子ばかりで気まずかったよ」


女子ばかりの中1人で辛抱強く列に並んでいる真琴の姿を想像して、ちょっとだけおかしくなった。


箱の中のケーキはハートの形をしたいちごのショートで、どこを切っても中に沢山のいちごが入っていた。


いちごのショートは私の一番好きなケーキだった。


「う~ん、美味しい!」


一口食べて思わず声を漏らす。


人気店だけあってすごく美味しい。


口に入れるとスポンジがとろけてしまった。


クリームは甘ったるくなく、いちごは抜群に甘い。
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