ひと駅分の彼氏
☆☆☆

「おばあちゃ~ん」


十字路の交差点を過ぎて少し高くなった場所にある日本家屋が私のおばあちゃんが暮らしている家だ。


昔はおじいちゃん、そして私の父親。


父親の兄弟たちと総勢10人でこの家に暮らしていたが、今はおばあちゃん1人になっている。


おじいちゃんは現在入院中で、退院するのは来月になりそうなのだ。


広い日本家屋で1人暮らすのは寂しいだろうと思うのだけれど、おばあちゃんからすればこの家には嫁いできてから沢山の思い出がある。


あの部屋にもこの部屋にも自分の痕跡があり、寂しいことはないのだと言う。


「紗耶ちゃん?」


自動車が何台も止められそうな広い庭からおばあちゃんがひょっこり顔を出した。


近づいて見ると車輪付きの赤い椅子が置いてあり、それに座って草取りをしていたことがわかった。


「久しぶりだね!」


「よく来たねぇ」


おばあちゃんはそう言いながらも視線を私の後ろへと移動させた。


「おばあちゃん紹介するね。同じ学校の先山真琴くん」
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