ひと駅分の彼氏
☆☆☆
朝食を食べていると母親が嬉しそうな顔を向けてきた。
「どうしたのお母さん、なにか良いことでもあった?」
「別にないけど。でも昨日は頑張って勉強していたみたいね」
そう言われて昨日勉強しているところを見られていたのだと知った。
「勝手に部屋を覗いたの?」
「ちゃんとノックしたわよ。気が付かないくらい集中して勉強してたのね」
お母さんは悪びれる様子になくご機嫌だ。
新聞を読んでいたお父さんが顔を上げて「そうか、受験勉強を再開したのか」と、呟くような声で言った。
「まぁ、受験生だしね」
ぶっきらぼうに返事をすると「そうか」とだけ返ってきた。
別に悪いことをしているわけじゃないのに、なんとなく居心地が悪い気分になってきて、私は一気にお味噌汁を飲み干した。
「行ってきます」
カバンを持って外へ出ると暖かな日差しが包み込んでくれた。
2月の朝とは思えない暖かさで、太陽に目を細める。
今日も真琴は来てくれるだろうか。
そして2人の懐かしい思い出を話してくれるだろうか。
朝食を食べていると母親が嬉しそうな顔を向けてきた。
「どうしたのお母さん、なにか良いことでもあった?」
「別にないけど。でも昨日は頑張って勉強していたみたいね」
そう言われて昨日勉強しているところを見られていたのだと知った。
「勝手に部屋を覗いたの?」
「ちゃんとノックしたわよ。気が付かないくらい集中して勉強してたのね」
お母さんは悪びれる様子になくご機嫌だ。
新聞を読んでいたお父さんが顔を上げて「そうか、受験勉強を再開したのか」と、呟くような声で言った。
「まぁ、受験生だしね」
ぶっきらぼうに返事をすると「そうか」とだけ返ってきた。
別に悪いことをしているわけじゃないのに、なんとなく居心地が悪い気分になってきて、私は一気にお味噌汁を飲み干した。
「行ってきます」
カバンを持って外へ出ると暖かな日差しが包み込んでくれた。
2月の朝とは思えない暖かさで、太陽に目を細める。
今日も真琴は来てくれるだろうか。
そして2人の懐かしい思い出を話してくれるだろうか。