ひと駅分の彼氏
できればこれから先もそうであってほしいし、新しい思い出もほしい。


私はふとスカートのポケットに入れているスマホに指先を触れた。


取り出そうかと一瞬迷い、やっぱりやめた。


今から真琴に連絡を入れておけば少しでも長い間一緒にいられるかもしれない。


そう思ったけれど……。


でもきっと真琴は来てくれる。


いつもの駅で、乗車してくれる。


そう信じたのだった。
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