【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。


 すると、スワンボートから突然ハンドルを離した宮栄さんは、私の顔をジッと見つめてくる。

「え、あの……」

 な、なんか見つめられてる……?

「僕も、あなたと一緒にいられて嬉しいですよ?……あなたとこうしてスワンボートに乗っている時間が、とても幸せだと思えます」

 な、なんでそんなこと……。

「……ずるいです、そういうの」

 余計にドキドキ、させないでくださいよ……。

「ずるい、ですか?」

「ずるいです。……私が宮栄さんのこと好きだって、知ってて言ってますか?」

 私がそうやって宮栄さんに問いかけると、宮栄さんはメガネを上に上げて「好きだって知ってて、言ってますよ?」と私を見た。

「えっ……?」

 え、それ……って?

「僕も、あなたと同じ気持ちです」

 今……私、聞き間違いでもした? 同じ気持ちだって……聞こえたような?
 ううん、聞き間違いじゃない……。

「私、あなたと出会ったあの日に……たぶん、あなたに一目惚れしたんだと思います」

「え?」

「宮栄さんと出会ったあの日、あなたに人生を変えられた。 宮栄さんが選んでくれたこのメガネを掛けたから、私のメガネ人生は変わったんですよ?」
< 43 / 46 >

この作品をシェア

pagetop