【完結】笑顔のステキなメガネ屋さんに恋をしたら、メガネが好きになりました。
すると、スワンボートから突然ハンドルを離した宮栄さんは、私の顔をジッと見つめてくる。
「え、あの……」
な、なんか見つめられてる……?
「僕も、あなたと一緒にいられて嬉しいですよ?……あなたとこうしてスワンボートに乗っている時間が、とても幸せだと思えます」
な、なんでそんなこと……。
「……ずるいです、そういうの」
余計にドキドキ、させないでくださいよ……。
「ずるい、ですか?」
「ずるいです。……私が宮栄さんのこと好きだって、知ってて言ってますか?」
私がそうやって宮栄さんに問いかけると、宮栄さんはメガネを上に上げて「好きだって知ってて、言ってますよ?」と私を見た。
「えっ……?」
え、それ……って?
「僕も、あなたと同じ気持ちです」
今……私、聞き間違いでもした? 同じ気持ちだって……聞こえたような?
ううん、聞き間違いじゃない……。
「私、あなたと出会ったあの日に……たぶん、あなたに一目惚れしたんだと思います」
「え?」
「宮栄さんと出会ったあの日、あなたに人生を変えられた。 宮栄さんが選んでくれたこのメガネを掛けたから、私のメガネ人生は変わったんですよ?」