一室の思い出と共に
公園の入り口に私は立っていた。ここはどこだろうと辺りを見回すと砂場で幼稚園児くらいの男の子と女の子が遊んでいる。気付くと私はその二人の側にいた。二人は私に気付く様子もなく砂遊びをしながら会話を続けている。女の子の方が少し不安げに男の子に話しかける。
「きょうこそはちゃんとなまえいえるかな...」
「だいじょうぶだよ!ゆづきちゃんいってみて。」
「しゅじゅとくん!...いえなかった。わたしだけちゃんといえない」
「うーーん...じゃあね、おれのみょうじからとってあだなにすればよびやすいかも...」
「みょうじかぁ...みょうじなぁに?」
男の子の名字を知らないのか不思議そうに尋ねる。ニコッと笑いながらその問いかけに答える。
「ひろせだよ」
「じゃあヒロくん?」
男の子の名字を聞いた女の子は考える仕草をしひろせという文字を短くしヒロくんと呼び出す。恐らくサ行が上手く発音出来ないのだろう。
「あ!ちゃんとはつおんできてるー!」
「ほんと?やったぁ!わたしもあだなでよんでほしい」
二人ともぴょんぴょんと跳び跳ねて喜び女の子はお願いをした。
「じゃあおれもゆづきちゃんのことゆづちゃんって呼ぶ!おれたちだけのあだなにしようね!」
「うん!やくそく!!」
あだ名というには安直なものだったがそれは二人にとっては大事なものとなったのだろう。微笑ましく思う光景は暗転していき次の場面へと変わった。
次の場面に変わると同じ公園で女の子が一人ぽつんといる。誰かを探しているようだ。
「ヒロくん~!どこー!なんでいないの!」
さっきの場面の男の子を探していてどうしても見つからないらしい。そしてもう夕方になろうとしている。
「結月!!こんなところにいたの!!探したのよ!」
「だってー!」
どうやら勝手に出てきたようで母親が迎えにきたみたいだ。女の子は感情が爆発したみたいで泣き止まなくなってしまった。いつまでも泣き止まないその姿を捉えながら私の視界は闇に覆われた。
「きょうこそはちゃんとなまえいえるかな...」
「だいじょうぶだよ!ゆづきちゃんいってみて。」
「しゅじゅとくん!...いえなかった。わたしだけちゃんといえない」
「うーーん...じゃあね、おれのみょうじからとってあだなにすればよびやすいかも...」
「みょうじかぁ...みょうじなぁに?」
男の子の名字を知らないのか不思議そうに尋ねる。ニコッと笑いながらその問いかけに答える。
「ひろせだよ」
「じゃあヒロくん?」
男の子の名字を聞いた女の子は考える仕草をしひろせという文字を短くしヒロくんと呼び出す。恐らくサ行が上手く発音出来ないのだろう。
「あ!ちゃんとはつおんできてるー!」
「ほんと?やったぁ!わたしもあだなでよんでほしい」
二人ともぴょんぴょんと跳び跳ねて喜び女の子はお願いをした。
「じゃあおれもゆづきちゃんのことゆづちゃんって呼ぶ!おれたちだけのあだなにしようね!」
「うん!やくそく!!」
あだ名というには安直なものだったがそれは二人にとっては大事なものとなったのだろう。微笑ましく思う光景は暗転していき次の場面へと変わった。
次の場面に変わると同じ公園で女の子が一人ぽつんといる。誰かを探しているようだ。
「ヒロくん~!どこー!なんでいないの!」
さっきの場面の男の子を探していてどうしても見つからないらしい。そしてもう夕方になろうとしている。
「結月!!こんなところにいたの!!探したのよ!」
「だってー!」
どうやら勝手に出てきたようで母親が迎えにきたみたいだ。女の子は感情が爆発したみたいで泣き止まなくなってしまった。いつまでも泣き止まないその姿を捉えながら私の視界は闇に覆われた。