甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「うーーー!! おい! ねぇねぇ,十和くん,どう見ても……どえっす……じゃん!」



十和の前で澄ましていたのは何処へやら。

何故か途中で声をすぼめたまーちゃんは,私をぐいりと向き直った。



「前はなんでも良かったから聞かなかったけど……あそこまでなるの,何でなの?! きっかけは,いつ!」

「あっ私も知りたい! 十和くんほんっとに可愛かった~!!! 何話してたの?」

「ねぇねぇ部活の後輩に十和くんが好きって子がいるんだけど!」



その言葉をきっかけに,クラスメートの女子も何人か寄ってくる。



「何って……と,特に普通の事だよ,ね? まーちゃん」

「……どーだろ?」

「ちょっと……それで十和に会ったのは,この前の球技大会の時かな。その時は……うーん,その時も,別に……」



うっかり傷ついて泣きそうな所を目撃されました……なんて,言えるはずもない。

私は十和にも口止めしておこうと思いながら,クラスメートには悪いものの,一部を隠すことにした。

特別な何かは無かった。

ただ話しただけだもん。

嘘では無いし……赦してね,皆。

あははと笑えば,皆もそれ以上追求することは無かった。
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