甘すぎる小悪魔に見つかったなら。








昼休みは毎日やってくる。

なぁんて,当たり前のことを考える私。

だけど,普通なら来ないお客様が連日訪ねてきている今は,それも仕方がないのだ。



「今日も来たの?」



呆れる私に,十和は



「うん」



と楽しそうに笑った。



「あゆー!」



そんな私達の間を突き抜ける様に,軽快な声が私の目線を拐う。

らきか,何だろ。



「あ,ごめんちょっと」



名指しで呼ばれては仕方がない。

私は十和に断って,廊下側に凭れているらきの下へ小走りをした。

暇なのかな?

こてんと首をかしげながら



「どした?」



と聞く。



「次の授業って,このプリント使う?」

「えー? んーー,た,ぶん?」



そんなこと?

いや,悪いわけではないんだけど……

私に聞いたって,憶えてるわけないことはらきだって充分知ってるはずなのにな。



「多分て」



ふはっと笑うらきに,私も苦笑いを返した。

ほんとは知ってたんでしょ,そんなこと。

らきは自分の机に,ひょいっとプリントを放る。
< 25 / 65 >

この作品をシェア

pagetop