甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
自分って,私……?
騙してるって言うのが,いまいちピンと来ない。
いつの話しか分からないし,それを私が知っている風なのもよく分からない。
ただ1つ分かるのは
「十和……私に甘えてたの?」
ルールに反して,聞いてもいないのに知ってまったことについて。
「気付いてなかった? 周りにはいっつも作ってるけど,あゆの前だといつも自然だよ。おかげで,息がしやすくて,休憩できる」
「私の前って……ほわほわでキラキラの十和じゃないって事……?」
「うん」
「どうして?」
「あゆの,目」
そっと頬に触れられる。
「あゆの目が,心地よかったから」
目……?!
そらされない気まずい瞳に,私が逆にきょろきょろと動かしてしまう。
『頬に触れたら唇までは一瞬だ』
そんな言葉を,よりにもよって今思い出してしまったから。
そんな風に言われるのもそれも仕方ないと思う。
こんなに近くて,ただ1人瞳に映されて。
聞かされなくたってそんな気分になるんだから。