甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「僕,あゆを泣かせたやつの悪気ない散々な言葉,たまたま近くで聞いてて。そしたら,あゆの友達が走っていって……そこにいたのがあゆだったんだ」
最初は水道裏のトイレじゃないと十和は言った。
「ちょっと待って,泣いてないから!」
ぎり,ぎり。
そうだっけと,十和はとぼける。
「どうするのかと思ったら,あんなとこで1人泣きそうだったから,声かけちゃった」
その言葉で,私が気になって様子を窺っていたんだと私は知った。
「話してる内に,真っ直ぐ僕を見て柔らかくなる目が,好きだと思ったんだよ」
どきんと大きく鳴る。
「どんな人なのかなって,知りたくなった。だからもう,あゆにはどうやって繕ったらいいのか分からない。つい,甘えちゃうみたい」
びっくりした。
不覚にも告白されたような気持ちになった。
こんな普通の様子な十和に,そんなつもりはないんだけど。