甘すぎる小悪魔に見つかったなら。
「どうして?」
「何が?」
「どうして十和がいるの? それに,十和がいなくても自分で……」
ちゃんと断れたよ。
優柔不断に頷いたり,絶対しなかったよ。
「僕が取り返したかっただけ」
何を?
それにさっきはおれって,言ってたのに。
「おー戻ってきた」
「先輩! 遅かったね!」
ギクリとする私。
理苑くんに悪気は無いに決まっているけど,ドギマギと笑みを浮かべた。
「う,うん。2人はなに? 曲止めてたの?」
「そんな感じ。十和の話聞いてて,そんまま先輩来る迄待つかってなって」
話をそらすと,玲央也くんが答える。
「話?」
「うん,まあ俺達からしたらなんでもないような事だったけどね。あゆは聞いてたんでしょ? 仲良いもんね!」
ぱっと十和を見た。
「……遅くなったのは」
「うん?」「あー?」
「ちょっ」
「あゆがコクられてたから」
「「え!!!」」「十和!!」
なんて事言うの,それもわざわざ。
広めることないじゃない。
「じゃあ十和,見に行って良かったね!」
「えっ?」
「独占的で過保護だからな~。ちょっと遅くね? って言っただけなのに」
赤くなるな,私。
そんなんだから,チョロいって言われる。
見に行って良かった,なんて。
大した意味はない。
だから,逸るな,鼓動。