スキがない総長の大胆な溺愛

「だ…っ！」



爽やかが売りの優利の口から「抱く」なんて言葉が出てきて…思わず赤面する。

そんな私を見て、優利はため息をついた。



「ほら、言葉を聞いただけでこの状態の明里に…同居は無理だ」

「ゆ、優利も…なの？」

「なにが？」



首を傾げる優利に、未だドキドキ鳴る心臓を押さえて尋ねる。



「優利も…何の感情がなくても、そういう事が出来るの…？」

「……試してみるか？」



言うと、優利は腰を上げて私に近寄る。

そして私の手に自身の手を重ねて、キュッと握った。



「明里、こっち見ろ」

「え、いや…む、無理」



「無理でも」

「（そんな無茶な！）」



慌てふためく私とは違って、優利は平然な顔でどんどん私に近づいてくる。

いや、ま、ちょっと待って…！



「き、キスするつもりなの…⁉」