スキがない総長の大胆な溺愛
「(ひょっとしたら兄貴は俺に対して、少しはマシな扱いをしてくれるんじゃないかって……そんな期待を持ってた俺に絶望した)」



裏切られる悲しみを、今この時。

優利は重く激しく痛烈に…思い知った。



「ねぇ、聞くんだけど。アイツら君にも手加減ナシ…どころか、最悪、殺されるかもしれないけど逃げなくていいの?」



余裕ある表情で蒼羽が佇む横で、優利も…なぜか同じように佇んでいた。

そして、こんな状況だと言うのに「俺はさ」とポツリポツリと喋り始める。



「兄貴のようにはならねぇって…ずっと反面教師してたんだ」

「……結果は?」

「分からない。明るく真っすぐ良い奴でいようってがむしゃらに生きて来たけど…兄貴と正反対な俺になれてんのかは…自信がないんだ」



「……」
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