スキがない総長の大胆な溺愛
「っ!」

「もっと自信を持ったら?」



ニヤリと笑い、蒼羽は後ろ足に力を入れて、連中に突撃していく。

優利に連中の手が回らないように、暴れるだけ暴れる作戦らしい。


一方の優利は、そんなバケモノみたいに強い蒼羽を見ながら…

不良にからまれた夜の事を思い出していた。



――俺は俺だ…!
――俺は兄貴とは、違う!!



自分自身に言い聞かせるよう言った言葉。

その言葉は、たった今…

蒼羽によって認められた。



――君は君だよ。嵐太とは違う



「……っ」



眉間にシワを寄せて、グッと下唇を噛む優利。

そんな彼をため息交じりに見た蒼羽は、隙をみて優利に説明をし始めた。



「感動してる暇があるなら、さっさと逃げてほしいんだけど」
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