スキがない総長の大胆な溺愛
【月光】の総長
熱が数日続いた私は、今日はバスに乗っていた。
目的地で降りるチャイムを押し、ガシャンと自動ドアが閉まる音が聞こえる。
降り立ったのは――優利のいる病院。
「ふぅ~やっと来れたぁ」
もう風邪の「か」の字もない元気な私。
前に来た日から、ずっとずっと病院へ来たかった。
といっても、優利のお見舞いのために…じゃない。
「優利は退院したって本人からメールが来たし。学校にも通常通りに通えているみたいだし」
むしろ、色々あって全然登校出来ていないのは私の方で…。
優利に至っては、隣の部屋から私がいなくなってるから、心配して毎日のように鬼電がかかってくる。
『大丈夫!生きてるから心配しないで!』
なんて言って誤魔化してるけど…学校で会ったら、絶対に逃げきれない。