とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
近々、龍聖君は鳳条グループの海外支社で勉強するためにアメリカに旅立つ。


今夜、みんなで集まった後、龍聖君はたまたま1人残った私に声をかけ「最後の思い出」作りを提案してきた。


大学の卒業祝い……そんなノリだったのかも知れない。


たぶん、他の誰でも良かったんだよね?


女性なら誰でも。


そう思うと悲しくなるけど、でも、これで良かったんだ。


あなたを忘れるために私は抱かれた。


そう思えばいいんだよね?


これで……全て終わり。


私は、いつかあなたより素敵な人と出会って、新しい恋をして、結婚する。


学生時代からの想いと、今日の最後の思い出を完全に忘れてしまえる時がくるよう、振り返らずに前に進んでいきたい。


私は、龍聖君に負けないくらい幸せになるんだから!


それから数日後……


特に連絡も取り合わず、龍聖君は1人、アメリカへと旅立っていった。
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