とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
『そんなに恐縮しないで下さい。俺は、おじさん、おばさんへの感謝を忘れていません。2人のおかげで楽しい高校生活を過ごせましたから。これからは身内として何でも相談して下さい。もちろん追加融資もします、何があっても力になります。琴音のことも、どうか安心して下さい』


龍聖君は、お父さんとお母さんに向けて優しく微笑んだ。


『本当にありがとう、ありがとう……この恩は死ぬまで決して忘れません。1日も早く返済できるように粉骨砕身の覚悟で頑張ります』


『そんなに固くならないで下さい。それに、僕に敬語を使う必要もありません。おじさんの作る製品なら大丈夫です。だから、焦らないでゆっくり良いものを作ることだけに集中して下さい。そうすれば、必ずまた工場に活気が戻るでしょう』


『ありがとう。龍聖君、君は本当に立派になったね。鳳条グループの跡取りとして素晴らしい経営者になることは間違いないね。こんなに良くしてもらって……本当に……感謝しているよ』


お父さん、まだ泣いてる。
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