とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「琴音、いつも忙しくして悪い。今夜は少し時間が取れるんだ。何か食べに行かないか?」


「本当に? 嬉しい! でも……無理してない? 疲れてるんじゃないの?」


龍聖君からの食事のお誘い、一緒に暮らすようになってからは初めてだった。


一気にテンションが上がる。


「琴音と美味しいものが食べたい。2人で食べたら元気になれるだろうから。どこにする? 琴音が食べたいものでいいから」


私といて元気になってくれるなら、少しは龍聖君の役に立ててるのかな?


そうだと嬉しいな。


絶対疲れてるのに、自分より相手を思いやるところは高校時代からずっと同じ。


本当に、優しいんだ。


「ありがとう。でも、今夜は龍聖君の食べたいものを食べようよ。いつも頑張ってるんだから」


「琴音だって仕事頑張ってるじゃないか。でも……じゃあ、今日はわがまま言っていいか?」


「もちろんだよ」


「だったら焼肉」
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