とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
でも、もしかして……


これは龍聖君なりの優しさなのかも。


美人な女性を前にして、自信をなくしてしまった私に気がついてくれたのかな?


ああ、どうしよう、だんだん鼓動が激しくなっていく。


今からせっかく2人で食事なのに、何だかもう胸がいっぱいだよ。


「琴音。何が好き?」


「えっ!? す、す、好き?」


「俺はカルビ」


「カ、カルビ? あ、ああ。うん、そうだよね。龍聖君、前もカルビいっぱい食べてたもんね」


な、何だ……


お肉の種類のことだったんだ。


「好き」っていうワードだけが耳に入ってきて、思わず1人で焦ってしまった。


「覚えててくれてたんだな。琴音はロースが好きなんだろ?」


「う、うん。ロースが……好き。龍聖君も覚えててくれたんだ」


「俺も……好きだ」


ダメだ「好き」に敏感になり過ぎてる。


頭の中にいっぱいになった「好き」の嵐から抜け出さなきゃ。
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