とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
「俺のことはいい。それより、琴音は大丈夫か? お前も仕事で疲れてるのに、ご飯作って、家のこともしてくれて……」


「私は全然大丈夫。本当だよ」


好きな人のために何かをすることは、全然苦にならないんだってわかった。


夫婦って、こうやってお互いを支え合ってるんだね。


日々の生活から学ぶことは本当に多い。


「琴音……」


「ん?」


急にトーンの低い声で私の名前を呼ぶからちょっと驚いた。


「琴音はそうやって頑張ってるのに、俺はお前のために何もしてやれてないな」


龍聖君……急にどうしたの?


そんな落ち込んだ顔、普段は見せないのに。


「何言ってるの? 龍聖君は鳳条グループの御曹司なんだよ。世界で活躍する人。そんなすごい人のためにご飯を作れるんだから、私はとても幸せだよ。それにね、家事とか結構向いてるみたい。掃除も洗濯も料理もすごく楽しいの」
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