とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
久しぶりに見る龍聖君。


こんなにも素敵になって……


元々の美しい顔立ちにさらに魅力が増していて、この3年の間に何倍も洗練された大人になった気がした。


この容姿だと、きっとアメリカではモテモテで、彼女だって……できたんだろうな。


もしかして、彼女を日本に連れてきてるかも知れない。


その上、もう結婚も決まってるかも知れないし、ううん、すでに結婚してるかも知れない。


知れない、知れないって……私、勝手な妄想し過ぎかも知れない。


ああ、ダメだ、変なことばかり考えてしまってる。


あれから3年も経ってるんだよ、龍聖君に素敵なお相手がいないわけないじゃない。


なのに私は……


幸せになるなんて息巻いてたくせに、まだ1人の彼氏もできてない。


本当に情けないよ。


今、龍聖君は幸せなんだ。


だからこの先も、「最後の思い出」を作ったあの夜のことなんて話題にも上がらないだろう。


私も、とっくに忘れてしまった……みたいな顔をしておこうと思う。
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