とろける程の甘美な溺愛に心乱されて~契約結婚でつむぐ本当の愛~
私の休日……


今日はやりたいことがたくさんあったのに。


録り溜めたビデオを観たり、クッキーを焼いたり、ゆっくり好きなことをして過ごすつもりでいた。


本当に……私の都合は何も気にしてくれないんだね。


涼香姉さんは、いつも何がしたいの?


私に会いたいわけじゃないでしょ?


シャワーを浴び、ドライヤーで髪を乾かし、私の新品のパジャマに袖を通した姉さん。


「何これ? ダサくない?」


「この前パパのパジャマを買ったついでに私のも買ったの」


「あそこの店、こんなダサいの置いてないでしょ?」


ダサいダサいって……


「そりゃそうだよ。それはネット通販だよ。自分のパジャマまで贅沢はできないし」


「それにしてもこれは無いわ。いくらだったの?」


「い、いいじゃない、値段なんて別に」


その時、インターフォンが鳴った。


ピザが届いたんだ。


良かった、1980円のパジャマの話題が途切れてホッとした。
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