好きな人の婚約が決まりました。好きな人にキスをされました。
「――――そうと知っていたなら、娘を嫁がせたりしなかったのに!」
伯爵は激しく憤り、泣いていた。
当然だ。
大切に大切に育ててきた我が子をないがしろにされ、平然としていられる親は居ない。
レヴィだって当然平気ではいられなかった。手のひらに爪が食い込み、全身が燃えんばかりに熱い。
(許せない)
許せるはずがない。
レヴィのただならぬ様子に気付いたのだろう。伯爵は手のひらを下に向け、落ち着くようにと合図する。
「ひとまず、アリスはしばらくここで療養させることにしたよ。これからのことは私と侯爵とで話し合う。
レヴィ――――あの子のためにも、どうか今は堪えてくれ。頼む」
伯爵にはレヴィの考えがお見通しなのだろう。深々と頭を下げ、懇願されてしまった。
「旦那様、しかし……」
「それより、朝になったらアリスの話を聞いてやってほしい。そのほうがあの子はずっと喜ぶからね」
理屈は分かる。
だが、心で理解ができない。
レヴィは頷くことも首を横に振ることもせず、自室に戻った。
伯爵は激しく憤り、泣いていた。
当然だ。
大切に大切に育ててきた我が子をないがしろにされ、平然としていられる親は居ない。
レヴィだって当然平気ではいられなかった。手のひらに爪が食い込み、全身が燃えんばかりに熱い。
(許せない)
許せるはずがない。
レヴィのただならぬ様子に気付いたのだろう。伯爵は手のひらを下に向け、落ち着くようにと合図する。
「ひとまず、アリスはしばらくここで療養させることにしたよ。これからのことは私と侯爵とで話し合う。
レヴィ――――あの子のためにも、どうか今は堪えてくれ。頼む」
伯爵にはレヴィの考えがお見通しなのだろう。深々と頭を下げ、懇願されてしまった。
「旦那様、しかし……」
「それより、朝になったらアリスの話を聞いてやってほしい。そのほうがあの子はずっと喜ぶからね」
理屈は分かる。
だが、心で理解ができない。
レヴィは頷くことも首を横に振ることもせず、自室に戻った。