幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで
これは誰にも言ってないんだけど、樹王は幼い頃から私のヒーローなんだ。

小さい頃の樹王は、優しくて穏やかな少し気の弱い男の子で、当時は私の方が体が大きくて気が強かったせいか『私が樹王を守らなきゃ!』って思ってた。

それが幼稚園の頃から私を守ってくれる様になったんだ。

…ある時、いじめっ子が私が描いた絵を「へったくそな絵!」と言って破いた事があった。

悲しくて悔しくて、いつも気の強い私が泣いた時に、樹王が「みおちゃんにあやまれ!」と、初めてその子に食って掛かった。
そして私には「ぼくはみおちゃんの絵、だいすきだよ」って言ってくれたの。

もうね、あれは幼心にも惚れた。
テレビの変身ヒーローよりも輝いて見えて…この時から樹王は私のヒーローになったんだ。

そして私は絵を描くのがもっと好きになった。
描くものが漫画になっても、樹王は褒めて、応援してくれた。

それが嬉しくてどんどんのめり込んで頑張ったから今の漫画家としての私がある、と言っても過言ではないの。


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