幼馴染みの秘めた溺愛  ~お前は女神でヒーローで
なぁ、美桜。覚えてるか?
幼稚園に入ったばっかの頃、俺さ、そのいじめっ子に名前をバカにされた事があっただろ?
その時に美桜が、泣いてた俺の手を握りながらそいつに言ったんだよ。

「きおくんのなまえはすごいんだよ!木の王さまなんだからね!かっこいいんだからね!」って。


その時の美桜がすげぇカッコよくてさ、美桜は俺のヒーローになったんだよ。

だから俺は、美桜に見合う強い男になりたくて、それで、美桜の絵が破られた時にそいつに歯向かったんだ。
その時はやっぱまだ怖かったけどな。


…それから、いつしか目標は『美桜を守れる強い男になる』になった。

それなら警察官かな、とかうっすら思ってたんだけど、中学の時の職業体験で一緒に消防署に行った時に、美桜がオレンジ色の制服のレスキュー隊の訓練風景を見て「かっこいい」って言ったんだよ。

確かに俺もすげぇって思ったけど…正直、嫉妬した。


浅はかで単純だけど…これで俺の目指すものが決まったんだ。

絶対にあのオレンジ色の制服を着てやる!って。


その後に親父の事故があって、更に消防士への道が決まった感じだな。

まぁきっかけはそんなだったけど、俺は消防士って仕事を選んで良かったと思う。
自分を成長させられるし、責任感とやりがいを持って打ち込めるし、何より実際に美桜の命を守ったしな。



美桜、俺を選んでくれてありがとう。

美桜は俺の女神でありヒーロー。
俺はこれからもこの華奢なヒーローを守り、そして美桜に守られて生きていく。

今までも、そしてこれからもな。


「俺の溺愛はすげぇから覚悟しろよ? 美桜」

俺は隣で安心して眠る美桜に、優しくキスをした。


*** end ***
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