もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 離婚しないと確信できたら、そのときは真実を明かせるのだろう。

 契約結婚である以上、そんな日は永遠に来ないのだけれど。

「俺は君のような親にはなれない」

 蒼史さんは無表情のまま言い、優史の頭をまたなでる。

 私の言葉を否定するくせに、彼が優史に触れる手つきはとても優しかった。
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