もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 優史の名前の響きと構成する漢字を見れば、蒼史さんは間違いなくこの子の父親が誰なのか気づく。というより、蒼史さんと私の過去の繋がりを知っている人なら誰だってわかるだろう。苗字の印象が強かったらしい大和はともかくとして。

「ずっと抱いているのも大変じゃないのか。俺が抱こう」

「あ、いえ、でも」

「これから一緒に生活するんだ。お互いに慣れておいた方がいい」

 蒼史さんが軽く両手を広げ、私に優史を渡すよう促す。

 正直、彼に優史を抱かせるか迷った。

 このやわらかく愛おしい存在を抱きしめたら、自分と血縁関係にあるとわかってしまわないだろうか?

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