もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 蒼史さんはあきらかに私を避けているし、私がしようとしている話を聞くまいとしている。

 大事な話があると言っても聞いてもらえない。どうしてそんなに避ける必要があるのだろう。

 優史が自分の息子だと察して、真実を認めたくないから? でも蒼史さんはそういうタイプの人ではないと思う。

 逆に責任感から、望まない結婚を続けなければならなくなることを拒んでいるのかもしれない。

 だけどそれならそれで、彼は逃げではなく自分が納得できる答えを提示してくる気がする。それが私にとって一方的かどうかはともかくとして、だ。

 蒼史さんがシューズボックスの上に置いてあった鍵を取り、家を出て行こうとする。

< 208 / 281 >

この作品をシェア

pagetop