もう恋なんてしないと決めていたのに、天才外科医に赤ちゃんごと溺愛されました
 私が結婚して息子までいると思い、安心した様子の彼をどうしたいのか自分でもわからない。

「最低な男だな」

「え……」

「無責任だろう。子供を産むのも育てるのも、大変な思いをするのは君ばかりだ」

 大和がいるとはいえ、優史を育てるのは本当に大変だった。

 今もイヤイヤ期で途方に暮れる時間の方が長い中、蒼史さんがたとえ自分自身とは知らなくても私を独りにした相手を怒ってくれたのがうれしい。

「……そんなふうに言わないでください」

『優史の父親』は本当に素敵でかっこよくて、偽装恋愛だとわかっていても愛されたいと願ってしまうような男性だったんです。

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