死神のマリアージュ

入学式で、9年ぶりに再会。

「ホントに大丈夫か?」
「たぶん」

父さんとにらみ合うこと、およそ二秒で決着がついた。
今回も、娘には甘い私の勝ち。

「まー!そろそろ学校行く時間ギリー!」という、いとこの忍の声が聞こえる。
忍がそこまで言うってことは、本当に行く時間が迫ってるのだろう。

「父さんも来てくれるんでしょ」
「もちろん!こうなったらおまえがイヤっつっても俺が連れてってやる!」
「・・ありがと」

私は、父さんから母さんのほうへ向きを変えると「行ってきます」と言った。
「真希。俺たちの愛娘は今日から高校生だ。成長早いなぁ」
いくら父さんや私が話しかけても、写真の母さんは、私たちに微笑んだままだった。
けれど天国にいるであろう母さんは喜んでいるはずだ。
たぶん・・・きっと。
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