死神のマリアージュ
「ホントに頼雅さんに言わなくてもいいんだな?」
「いい。大丈夫」

今のところ分かるのは、何かが私の身に起こってるということと、これは私の霊力に関することだということくらい。
だからこそ、父さんには言ったほうがいいのかもしれないけど・・・今は誰にも言いたくない。
父さんや叔父さんたちも対処法は知らないと思うし。
ましてやその現象を「完全になくす方法」なんて、果たしてあるのかどうか・・。
でも、突然始まった現象だから、終わりが来る(止む)のも突然かもしれない。
・・・というのは私の淡い期待に過ぎないかな。

はぁとため息をついた私を、界人は自分の肩に寄りかからせた。

「俺は何があってもおまえのそばにいる」
「・・うん」

私は界人に護られている。
そして界人は私を護ってくれている。
ただ私のそばにいてくれる、それだけでいい。でも・・・。

「もうおまえから離れないし、俺は離れたくない」
「ありがとう界人。もう少し」
「ん?」
「もう少し、界人を頼ってもいい?」
「“もう少し”じゃなくて“もっと”俺を頼れっての。今は全然足りねえよ」
< 205 / 359 >

この作品をシェア

pagetop