毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「それ、分かる。俺の場合は完全に金目当てだろっていうヤツらばっかり寄ってくるんだよ、マジでうぜぇ」
「昴さんはいいと思います! 自衛官パイロットですし、仕事柄〜とか言って趣味を誤魔化せるんで。お金は……しょうがないですよね……」
「しょうがないってなんだよ。こっちは命がけで毎回飛んでるのに」
「ふ、普通の人はパイロットの辛さとか大変さとか、重大さとか、全然分からないじゃないですか。私も親に散々バカにされましたし……だから、普通の人に私達の価値観求めちゃ駄目なんです」
言っていた側から反省した。
航学を辞めたヤツのいうことなんて、と、堪に障ったらどうしようと思った。けれど、昴さんは大きく頷いている。
……よかった。気分悪くはしていないようだ。
しばらくして昴さんは、何かを思い出したように『あっ!』と口を開いた。何を話すのだろうと耳を澄ませていると、
「あと、夜の方が全然満たされない。普通の女は俺を満足させることができないっつーことがよく分かった」
なんとも触れにくい話題を出された。
「え? あっ……そ、そう、なんですか……」
夜って、あっちの夜のことだよね。そんなことまで聞いていないのに。今更聞こえなかったフリをすることもできずに残りのコーヒーを少しずつ口に運ぶ。
「柏は? 夜の方は?」
「――し、したことないんで!」