毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
「スミマセン、そこまで考えていただいてたなんて。ありがとうございます」
教官に頭を下げた。
「私も教官がお元気そうでよかったです」
恐る恐る顔を上げると、教官はまた寂しそうな目をしていた。「お元気そうで」なんて、非常識だったかもしれない。あまりプライベートを聞くのは良くないと思っていたけど、どうしても気になって質問をしてみた。
「教官は……プライベートはどうですか? 気になる方とかはいないんですか?」
「今はもうおまえの教官じゃない。久藤でも昴でも好きなように呼んでくれ」
「ごめんなさい、では、えっと……」
久藤さんだったら、おじさんおばさんと名前が被ってしまう。「昴さんで」と言葉を濁しながら言うと、気恥ずかしそうに「うん」と頷いてくれた。
……なるほど。これがプライベートの教官……いや、昴さん。
確かに、ギャップが激しいというか、かわいいなと思ってしまった。
結局、昂さんは私の「気になる方はいないんですか」という質問に答えることはなく、
「柏は? 好きなやついるのか?」
――気づけば逆に質問をされていた。
「いえ、私は……そもそも言い寄ってきた人に、趣味は戦闘機を眺めることなんて言ったら、百発百中ドン引きされるんで」
……少しは昴さんも分かってくれるかもしれないと、同情してほしくて、私の恋愛になり得ない事情を話してみる。