毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい
昴さんの表情は見る見る険しくなる。
けれど、ここは私も引けない。昴さんの良心に付け込んで付き合うなんてできない。
「俺は、おまえが理想の女だって言ってるんだ。正直、柏を手放したら必ず後悔する」
「……はい」
「だから付き合ってくれないか」
「いいえ、付き合いません」
キッパリと断る私に、昴さんの額の眉間の皺は深まるばかりだ。昴さんのソレはただの錯覚で。趣味も、体もただ偶然相性が良かっただけだ。それだけで付き合うなんてやっぱりできない。
「……何回も抱いたのが原因か?」
「いいえ。それは私も物凄く気持ちよかったです。正直、友人の話を聞いていたのと全然違ったのでビックリしました」
「……じゃあ、歳が離れすぎてるからか?」
「昴さん、とてもお若いじゃないですか。イケメンですし、私の実兄の二十六歳と並んでも全然違和感ないですよ」
「……じゃあなんだよ。俺が戦闘機パイロットだから……早く死ぬかもしれないからイヤなのか?」
「それ、パイロットを目指していた私に対する侮辱ですか? 早く死ぬかもしれないって、誰かに言われたんですか?」
「………………」
口を閉じる昴さんを見て、過去の女性に言われたんだと察した。