毒舌な航空自衛官は溺れる愛を捧げたい



 抱いても抱いても、何度抱いても抱きたくなる。傷つけてしまった俺がいうのもなんだが、もう、柏を手放したくない。

 俺を好きになってほしかった。
 けれど、さすが柏だ。様子がおかしいと悟られ、

「元航空学生の身ではありますが、何があったのか話してくれませんか?」

 ――不安そうな表情で俺の顔を見た。

 『青い空を眺めていられるのは、戦闘機パイロットが空を守ってくれているからなんです』柏は人を良くみている。心の声が知られているのかと思うほどに、俺が最もほしい言葉をその都度くれる。

 「早く死ぬかもしれないって、誰かに言われたんですか」と、俺が過去の彼女に言われたと勘違いしていたけど、そうじゃない。

 俺が……俺自身があの時死ぬかもしれないと思ったんだ。

 だから柏に一週間前のあの時のことを話した。話し終えた後、柏は俺に優しく抱きついた。。

「昴さん、生きててくれてありがとうございます……」

 何の怪我なくいれたのは、柏が『守っていてくれてありがとう』と、空に祈ってくれていたからだろうか。

「なあ、柏。もう一回抱いてもいいか?」

 無性に抱きたくて、抱きしめながらお願いしてみると、「もうダメです!」と断られてしまった。


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