声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました
「ああ、そうだよ。全部ローゼの好きなだけ食べていいんだよ」

 なんてことでしょう……。
 こんな恵まれたこと、いいのでしょうか。

 私はお兄さまに差し出されたケーキを一口食べると、そのお皿をテーブルにおいて皆さんに向かってお辞儀をしました。

「(皆さん、本当にありがとうございます!!)」

 声に出せませんは気持ちは届いたようで皆さん笑顔でもう一度拍手をしてくださいます。
 お兄さまは隣から頭をなでなでしてくださいました。

 ああ、こんなに温かい環境が世の中にはあるのですね。



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