Filigran.


結局ほっくんの分も机を近づけて、


3人で仲良く…うん、仲良く勉強することになった。





ひとまずキリの良いところまで勉強が終わり、


3人で伸びをしながら「おつかれ」と言い合う。


もう夜にはなっているけれど、学校が施錠されるまでには時間がある。


「残ったお菓子食べながら女子会しよ!」


そうキラキラした目で美花が言い、


「俺いける?ギリ混ざれる?女子会の定義って何?」


とほっくんはうるさく変なことを言っている。





今日も平和で良かった良かった。





「美花ね、雪乃の彼氏の噂聞いたとき寂しかったけど嬉しかったんだ」


「雪乃は美人で頼りになるけど、あんまり弱音を吐かないから」


「頼れる人ができたのかなって…」


そう言いながら照れ隠しにいちごミルクをゴクゴク飲む美花は、


やっぱり世界一可愛くて素敵な親友だと思う。




そうやってじんわりと感動したあとで、


ほっくんの言葉で、私達がずっと心に重荷として持っているものを思い出してしまった。






「…俺も嬉しかったよ」


「俺らは無理なんだって思ってた…から。」



『俺ら』



ほっくんと私。


私達がまるで兄妹みたいに運命共同体として在る理由。





「…そういえば高藤も彼女いそうなのに作らないよね」



そうやって美花が聞けば、



「いやぁ、俺の文学愛に着いてこれる人がいなくて…」


と、ほっくんは”明るく笑って”言った。


< 34 / 92 >

この作品をシェア

pagetop