大食いパーティー、ガーデンにて奮闘する
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「テオは『おまえ誰だ』って言ってたわよね。どういうことかしら」
「ジョセフを見つけたのか、あるいは魔物か……」
 背中がすうっと寒くなったリリアナは、濃い霧が晴れるまでハリスの腕にしがみついていた。
 なんて恐ろしいエリアなんだろうかと改めて思う。

 リリアナには見えなかったが、テオはなにかの姿が見えていて、それを追いかけていったのだ。
「わたし、ホラーとかオカルトは苦手なんだけど!」
 ハリスが肩を揺らしてくくっと笑う。
「霧が晴れたら探しに行こう。それまでは離れないように待機。コハクもな」
「ガウッ!」
 猪突猛進のテオよりもコハクのほうが優秀ね……。
 リリアナは小さくため息をついた。

 霧がゆっくりと晴れていき、コハクが鼻をヒクヒクさせた。テオの匂いを追おうとしているようだ。
 コハクにも霧耐性アップのバフがかかっているから、湿気や霧に惑わされずに見つけてくれるに違いない。
 地面を嗅ぎ、時折ウロウロしながらもコハクは少しずつ進んでいく。
 そして途中からは確信したように歩調を速めた。

 コハクの後ろを小走りで追いかけるリリアナとハリスの目に、思いがけない光景が飛び込んできた。
 セーフティカードの結界の中でくつろぐテオの隣に、なぜか正座している人の形をした霧がいる。そしてその結界を取り囲むように、テオが何人もいるのだ。

「テオ!」
 名を呼ぶと、テオ()()が一斉にリリアナのほうを向いた。
「もおぉぉぉっ! オカルトはイヤだって言ってるじゃない!」

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