優しく、ぎゅっと抱きしめて

もしかしなくても、お昼寝中だった…よね、これは。



「お、起こしちゃってごめん…」



起こしてしまったことが申し訳なくなって、段々と声が小さくなっていく。



「いや……平気」



いつも見ない知賀くんのゆるゆるとした姿が可愛くて、思わずキュンとしてしまう。



うっ……か、可愛い…!!



好きな人の寝起き姿は至高すぎるな…。



「ふふ、知賀くんは寝起きが悪いんだね……って、わっ…?!」



ずっと見ていられるなぁとか思っていたら、急に腕を引っぱられて知賀くんの腕の中にすっぽりと収まった。



これはどういう状況……!?



今起こっていることが信じられなくて、頭の中がパニック状態。



「ち、知賀くんっ…?は、離してもらっても…?」



このまま抱きしめられていたら、思考がまたあらぬ方向へと行ってしまうと瞬時に察した。
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