ぼくの話をしようと思う



そんなこんなで、興奮さめやらぬまま、ぼくは三日後を迎えた。



舞台挨拶は13時からだったけど、朝一番に映画館に向かった。



中園さんと一緒に立てた作戦どおり、会場入りする彼女を待ち伏せしようと思ったんだ。



映画館に着いたのは…7時半くらいだったかな…。



もちろん彼女がそんなに早く来るはずないけど、承知の上での早起きだよ。



眠気なんて吹き飛ばすほどに、心が躍った。



だいたい、考えてみればさ、こんな健康的な生活自体が久しぶりだったんだからね。



病院のベッドにいなくて済むんなら、早起きだってなんだって平気だった。



でも、そこでぼくを待ち受けていたのは―



想像を絶する光景だったんだ。





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