ぼくの話をしようと思う



繭、よくがんばったね。



よく耐えたね。



よく乗り越えたね。



そう言ってあげたかった。



もういいよ、って繭が呆れてしまうくらい、よくがんばったって言ってあげたかった。



かわいそうな繭。



愛しい繭。






もう一度、この腕に、



抱きしめたかったぁー…。






…。



でももう、終わりだね。



ぼくは、生まれ変わるんだから。



新しい体を手に入れるんだ。



そしたら、今度こそ見つけ出すよ。



生まれ変わった世界で、この続きをするために。






…え…?



どうしてそんなこと言うんだよ…。



生まれ変わらないほうがいい、なんて…。






< 69 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop