愛しのディアンヌ
 マリアさんは、妹を見るような顔つきになり可笑しそうに笑っている。

「それじゃ、お風呂に入りましょうね! さーてと、徹底的に磨き上げるわよ」

「はっ? お風呂ですか?」

「そうよ。だって、あなた、髪が汚れているわよ。いらっしゃい。我が家の自慢の浴室は地下にあるのよ」

 半地下にある浴槽に向かうと、猫脚のバスタブからは温かな湯煙が立ち昇っていた。
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