"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
ノートをぎゅっと胸に抱きしめた。

「お母さんの方こそ、ごめんなさいね。幸せにしなきゃって思ってたのに、苦労ばかりかけてしまって。あなたから笑顔まで奪ってしまった」

真琴は激しくかぶりを振った。

「幸せになりなさい、真琴」

それからずっと涙は止まらず、恭平が抱きしめてくれていた。落ち着いた時には瞼は腫れ、人様に晒せない顔になっていた。ついでにお腹も鳴る。

「あらまぁ」

直子は笑っている。つられて真琴も笑ってしまった。それを見ていた恭平も笑う。

素直に笑い合うことが、こんなにも幸せなことだったのだと、真琴の心にはまた一つ大切なことが刻まれた。


「真琴、お昼にしましょう、手伝ってちょうだい」

「うん」

直子がカウンターに立ち、料理を仕上げる。真琴はテーブルをセッティングする。久しぶりの光景に胸が熱くなる。

「僕も手伝います」

恭平がテーブルのセッティングを代わってくれたので、直子とふたりキッチンに立つ。その光景は、まるで陽だまりに包まれているようだった。

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