"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「先輩、顔色良くなりましたね」

「うん、真琴さんが助けてくれたから、もう大丈夫。ありがとう」

「よかった。じゃあ、行きましょうか」

「うん」

「先輩、方向音痴って、大変でしょう?」

「うん、凄く大変。もう高2なのに、家族に心配かけっぱなし」

はぁっと、彼が溜息をつく。

「僕、自分のことが嫌いなんだ。コンプレックスの塊だから。真琴さんはどう?自分のこと好き?」

「私は、自分を含め、人間が嫌いです」

「え⁉︎ じゃあ、僕のことも嫌いなんだね。ごめん」

「んーっ、そういうことじゃないんです。なんて言ったらいいのか……人間の世界が嫌なんです。きっと、理解し難いとは思いますが」

「ううん、なんとなくわかるような気がする」

「そうですか?」

「自分の置かれている今の状況に息苦しさを感じているんじゃない?どうしてここにいるんだろうとか、どうしてこの世界で生きているんだろうとか、別の世界があればそっちに行きたいなぁとか、究極は2次元の世界で生きていければいいのになぁって思ってるんじゃない?」

「……えっ…」

「図星、かな?」

「先輩、超能力者ですか?」

「そうだったらいいのにね。超能力者だったら、どの方向に進めばいいのか悩まなくていいでしょ。道に迷わなくてすむ」

冗談まじりに笑う表情は、憂いを帯びているように感じた。
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