"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
全て支払いをするつもりだと察した真琴が「自分の分は払います!」慌てると「ここは俺に格好つけさせてくれ」と柔らかい眼差しを向けた。

結局彼が支払いを済ませてくれたのだが、どうしても借りを作りたくなかった。

「さぁ、出ようか」

店を出て、先を歩く彼のスーツを咄嗟に掴む。

「どうした?」

「あのぅ、ちょっとこっちに来て下さい」

有無を言わさず、彼を人目のつかない柱の影に引っ張った。

財布から、自分の会計分を取り出し、彼の手のひらに置く。

「これは私の分です」

「小銭まで、細かいな」

「計算は間違ってないと思います」

「いつ計算したんだ?」

「メニューを見せてもらった時です。上の方にハーバービュー席はチャージ料、メニューには別途サービス料が必要と記載されていたので、小銭が発生してしまいました」

サービス料の税率は、昨日食事を取ったカフェのレシートで15%だと確認済みだ。

「あの短時間でそこまで」

その時だった。真琴の右腕に激痛が走り、同時に勢いよく身体が宙に浮いた。
「あっ!」と思った時にはフロアーに激しく打ちつけられ、右腕だけではなく、全身が激しい痛みに襲われた。
< 45 / 197 >

この作品をシェア

pagetop