"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「人がみんな先輩だったらいいのに」

「え⁉︎ 僕だらけ?それって、人間社会は成り立たないよ。っていうか、実は僕、野獣だったりして。ガオーーーッ!」

両腕を上げ、獣の真似をする彼に思わず吹き出してしまった。

「その方がいい」

「え?」

「君は笑ってる方がいい」

彼は優しい眼差しで真琴を見つめた。

「先輩?」

「もう、先輩はやめようか。僕たち対等でしょ。こうへい。さんずいに光る、平らと書いて洸平」

「洸平さん」

男性を下の名前を呼ぶなんて、オセオン以外幼稚園以来ではないだろうか。

「うん、そう。よく出来ました」

「なんですか、よく出来ましたって!」

「ねぇ、まことってどう書くの?」

「真実の真にお琴です」琴を弾く真似をする。

「本当に弾いてるみたいだ。習ってたの?」

「少しだけですけど」

「そうか、だからなのかな。君の所作はとても美しい」

「ありがとうございます。先輩、あ、洸平さんに褒められると凄く嬉しいです」

「そう?」

「はい」

「君にはたくさんあるよ。褒めたいところ」

「え?」

「本当に自分では気づいていないよね。ねぇ、真琴さん、もっと自分を好きになって。そして、できれば人間も」

「できるかな……」

「真琴さん、僕のこと好きでしょ?」

「え⁉︎」
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