"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
真琴が経理部に戻ると、やたらと視線を感じた。何故プリンスに呼ばれたのか気になるのだろう。けれど、直接訊いてくる者はいない。その視線を受けながら午後の仕事に取り掛かった。
程なくして、課長が質問してきたので、彼から言われた通り「私の計算能力を貸して欲しいと言われ、手伝いをしていました」と答えると、どこからともなく安堵にも似た溜息が聞こえた。すぐに真琴に向けられていた視線は拡散していき、課長は「そうかそうか」と満足げな表情で戻って行った。
終業時刻を迎え、帰り支度をする。バッグの中でスマホがショートメールの受信を知らせた。
『高御堂だ。PM9:00にここで待っている。食事でもと思っていたのだが、急な仕事が入った。申し訳ない。遅い時間に女性をひとり歩きさせるのは不本意だが、どうしても今夜話がしたい。大丈夫か?』
『私は大丈夫です。お仕事お疲れさまです』
『店に着いたら電話してくれ。会員制だから鍵がなければ入れない。俺が外まで迎えにいく』
『そんな、会員制なんて、恐れ多くて行けません』
『ゆっくり話ができる場所だ。気兼ねすることはない』
『……かしこまりました』
『言っておくが、自分の分は払うとか言うなよ』
そんなことを言われてもと躊躇していると、またメールが届いた。
『返事は?』
『わかりました』
『素直でよろしい。あとで会おう。君もお疲れさま』
程なくして、課長が質問してきたので、彼から言われた通り「私の計算能力を貸して欲しいと言われ、手伝いをしていました」と答えると、どこからともなく安堵にも似た溜息が聞こえた。すぐに真琴に向けられていた視線は拡散していき、課長は「そうかそうか」と満足げな表情で戻って行った。
終業時刻を迎え、帰り支度をする。バッグの中でスマホがショートメールの受信を知らせた。
『高御堂だ。PM9:00にここで待っている。食事でもと思っていたのだが、急な仕事が入った。申し訳ない。遅い時間に女性をひとり歩きさせるのは不本意だが、どうしても今夜話がしたい。大丈夫か?』
『私は大丈夫です。お仕事お疲れさまです』
『店に着いたら電話してくれ。会員制だから鍵がなければ入れない。俺が外まで迎えにいく』
『そんな、会員制なんて、恐れ多くて行けません』
『ゆっくり話ができる場所だ。気兼ねすることはない』
『……かしこまりました』
『言っておくが、自分の分は払うとか言うなよ』
そんなことを言われてもと躊躇していると、またメールが届いた。
『返事は?』
『わかりました』
『素直でよろしい。あとで会おう。君もお疲れさま』